2009年12月29日

反貧困・自立支援テント村

反貧困・自立支援テント村

いのちの平等程遠く・・・


 去る12月26日(土)、那覇市与儀公園において反失業・反貧困沖縄県ネットワークと県生活と健康を守る会連合会の共催で「自立支援テント村」を設営し、同公園で暮らすホームレスや周辺に住む低年金高齢者ら約150人が相談に訪れました。全国各地で取り組まれている「テント村」の設営が県内で行われるのは初めてで、参加者は温かい豚汁を味わったほか、「仕事がない」「家がない」「国保税を滞納している」など、直面している厳しい実態を相談。民医連からも新垣安男会長ほか多数の職員が参加し、健康相談や配食などを行いました。中には、5日間食事をとっておらずふらふらな状態で訪れる人もおり、早急に生活保護申請するなど行政に繋げるべき事例も多く、深刻な社会情勢が浮き彫りになりました。当日参加した職員の感想を掲載します。(琉球新報より記事抜粋)
反貧困・自立支援テント村



反貧困・自立支援テント村



 今回のテント村を通して、いろいろなことを勉強させてもらいました。普段は病院内で仕事をしているので、病院に来られた患者さんの対応をさせてもらっています。テント村に来られた方は気軽に健康チェッ
クをしたいだけの方もいらっしゃいましたが、中には「病院で診察してもらいたいが、お金がなくてできない」「以前に手術が必要だといわれたが、病院に行けないので放置した状態」というように、医療の恩恵を全く受けることができない人たちを、わずかの間に多く目の当たりにしたことが衝撃でした。

 当日の与儀公園は天気も悪く肌寒い天気でした。温暖な沖縄ではありますが、これからは冬も真っ盛りになってきますので、居宅を持たない人たちの健康状態がとても心配になります。

 また、生活保護や保険についても質問されましたが、自分の勉強不足で知らないことが多く、力になれなかったのがとても残念でした。テント村に来られた方々には、医療サービスだけでなく保険制度や法律的な面など多方面での教育の必要性も感じました。

 今回のテント村での経験を通して「平等な医療」はまだまだ程遠いと感じました。現在揺れ動いている
医療制度ですが、このような人たちにも医療がもっと身近になる日が早く訪れて欲しいと思いました。

(沖縄協同病院1年目研修医 城間淳)

反貧困・自立支援テント村



 テント村では、食事の提供だけではなく、健康チェックや相談会などを行っていました。予想を上回る方が集まり、追加して豚汁を作っていました。夫婦と思われる2人がテントの方に歩いてきたので声をかけたところ「お金はいくらね?」と返ってきました。お金はかからないことを説明すると表情が緩み、「2つお願いね」と言われました。正直、私はこのやりとりに戸惑いを感じました。普通、食事をするときにはお金が必要になります。そのお金がなければ食べれなくて当たり前の現実があります。そのことに対し、私は特に何も感じたことはありませんでした。

 しかし、十分なお金がなく、食事をとることもままならない方がこんなにも身近にいるんだなと実感しました。その場だけでの温かさだけではなく、常時安心して休める場所が必要なんだと感じました。今後、このような支援がますます必要になってくると思いました。
(沖縄協同病院リハビリ室 H)

反貧困・自立支援テント村





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